羅臼にも、ようやく待ちわびた春がやってきました。
厳しい冬にその身を強張らせていた知床の山々も、日に日にその表情を和らげています。
ふと空を見上げると、悠々と輪を描いて舞うトビの姿がありました。
知床といえば海ワシがスポットを浴びがちですが、実は、俳句の世界において「春の鳶」は春の季語とされています。
なぜなら、春の暖かな日差しの中をゆったりと飛ぶ姿は、穏やかな季節の象徴だからです。
そのため、ルサ川の空を舞う彼らを見ると、厳しい冬がようやく明けたのだと心が和みます。

空を見上げた後はルサ川の中を覗いてみましょう。そこには小さくとも力強い命の姿がありました。
シロザケの稚魚たちです。

数センチほどの小さな体で、懸命に川を泳ぐ稚魚たち。
彼らはこれから、広大な海へと旅立ち海の恵みをその身にたっぷりと蓄えて、数年後再びこの川へと戻り、次なる命を繋ぎます。
まさに、知床の「海」、「川」、「山」を繋ぐ大切なバトン役。
この小さな泳ぎこそが、世界自然遺産・知床の豊かな生態系を支える循環のスタートラインなのです。
今年もつつがなく移ろう知床の四季とともに、シレココプロジェクトも新年度の活動を本格的に始動します。
今期もこのブログでは、知床のリアルな自然情報や、シレココ(知床半島先端部地区利用の心得)にまつわるディープなトピック、そして羅臼の日常をお届けしていく予定です。
知床を愛する皆さま、そして、これから訪れる皆さま。
今年度も「シレココブログ」を、どうぞよろしくお願いいたします。