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緊急時の通信手段を確保――知床半島先端部地区でスターリンクミニの試験運用が始まりました

知床半島先端部地区は、道路がなく、携帯電話の電波が届かない場所も多い地域です。
トレッキングなどは原則自己責任ですが、重大な事故やけが、遭難などが発生した場合、外部への連絡手段を確保できるかどうかが、その後の対応を大きく左右します。

こうした地域での遭難時対応を強化するため、総務省の事業に羅臼町が協力する形で、2026年7月から衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)ミニ」を利用した陸上Wi-Fi拠点の試験運用が始まりました。

先端部地区の4か所に設置

陸上Wi-Fi拠点が設けられたのは、知床半島先端部地区にある次の4か所です。

  • 赤岩
  • ニカリウス
  • 二本滝
  • モイレウシ

それぞれの番屋や倉庫内に、スターリンクミニ、ポータブル電源、ペダル式発電機、インバーター、各種ケーブルなどを収納したボックスが設置されています。

各番屋、倉庫に設置されているボックス

ポータブル電源は各拠点に4台あり、1台当たりの連続使用時間は約2時間です。電源が不足した場合には、ペダル式発電機を使って充電することもできます。約20分間ペダルをこぐと、ポータブル電源を約5%充電でき、10分程度の通信に利用できます。

利用方法

通常時に利用する場合は、事前に知床羅臼ビジターセンターまたはルサフィールドハウスで利用申請を行い、機器の取り扱い方法や注意事項について説明を受けてください。

ただし、事故やけが、遭難などの緊急時には、事前申請をしていなくても利用できます。利用後は、知床羅臼ビジターセンターまたはルサフィールドハウスへ、使用したことを報告してください。

現地では、スターリンクミニを空が広く見える方向に設置し、電源ケーブルをポータブル電源のUSB-C端子に接続します。接続後、早ければ2分程度、遅い場合でも5分程度で通信できるようになります。

その後、スマートフォンのWi-Fi設定から、現地マニュアルに記載されたネットワークを選択し、パスワードを入力します。接続後は、LINEによるメッセージの送受信や音声通話、天気予報、地図、スターリンクの状態確認などに利用できます。

電話番号を使った緊急通報はできません

このWi-Fiでは、110番、118番、119番などを含む、電話番号を使った音声通話や通信はできません。通信には、LINE通話やメッセージなど、インターネットを利用するアプリを使用してください。

また、悪天候や周辺の地形、衛星の状況によっては、通信速度が低下したり、接続できなかったりする場合があります。アンテナは、崖や建物に空を遮られない場所に設置してください。

スマートフォンなどの充電は原則禁止ですが、緊急時には使用できます。そのほか、指定された場所以外の番屋内部や私有地への立ち入り、機器の持ち出しや分解、濡れた手での電源操作などは禁止されています。

今回の試験運用は、通信環境が限られた知床半島先端部地区で、緊急時の連絡手段を補うための取り組みです。ただし、陸上Wi-Fi拠点があるからといって、必ず通信できるとは限りません。設備があることを前提に無理な計画を立てず、十分な準備をしたうえで先端部地区を利用してください。

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